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家族信託のデメリットと注意点

http://uxlayman.hatenablog.com/entry/2017/01/26/insentens

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「家族信託のデメリットと注意点」

 

 

メリットの多い家族信託ですが、もちろんデメリットも存在します。

 

家族信託を実行する際のデメリット・注意(留意)すべき点は、次のような点があります。

 

①遺留分減殺請求をされる恐れがある

 

遺留分とは、最低限の相続分(財産)を受け取ることを主張できる相続人のうち配偶者・子・親に認められている権利のことです。

 

生前の家族信託で受益権を得た場合、相続発生前であれば、遺留分を請求されることはありません。

 

しかし、相続が発生すると、受益権の評価額が遺留分を侵害していれば、受益権者は相続人から遺留分減殺請求を受ける可能性があります。

 

たとえば

 

・夫が委託者

 

・夫の死亡後は、受益者(第二受益者)を妻に

 

・妻の死亡後は、受益者(第三受益者)を長男

 

とした場合。

 

夫の死亡時に妻が取得した受益権と、長男が取得する受益権に、他の相続人から遺留分減殺請求がされる可能性があります。

 

ただし、家族信託について、遺留分が問題となった判例は少ないです。

 

現時点で、遺留分減殺請求を受ける範囲・内容について予測するのは難しいのが実情です。

 

②成年後見制度や遺言の方が適している場合もある

 

家族信託制度には、成年後見制度や遺言の機能も含まれております。

 

しかし、ケースによっては、成年後見制度や遺言の方が家族信託よりも適していることもあります。

 

たとえば、家族信託では、契約によって、信託内容を設定しますので、逆に、包括的な財産管理権を設定する機能はありません。

 

認知症で判断能力の低下・意思能力が喪失された場合、本人は施設との契約・介護保険契約・医療の契約といった契約締結ができなくなります。

 

こういうケースでは、家族信託の受託者(子供)が本人を代理して契約締結することはできません。

 

成年後見制度の後見人であれば、代理権を有していますので、契約締結をすることが可能です。

 

他にも、遺言であれば、財産の帰属先を指定することができます。

 

家族信託の場合、財産の管理・処分といった運用方法を指定することはできますが、財産の帰属先の指定をすることはできません。

 

③損益通算ができない

 

信託財産の中に収益不動産がある場合、信託財産から生じる不動産所得にかかる損失は、なかったものとみなされます(租税特別措置法41の4の2)。

つまり、信託財産たる不動産に関する損失は、信託財産以外からの所得と損益通算することや純損失の繰り越しをすることはできません。

また、信託契約を複数に分けた場合も、それぞれの信託契約をまたいだ損益通算もできません。

 

家族信託の設計にあたっては、その点からも、税理士等の専門家にご相談し、検討しましょう。

 

 

④節税対策・節税効果はない

 

家族信託は、節税対策にはなりません。

 

家族信託を組成後に不動産の売却・買い替え・賃貸建物を建設などにより保有資産の組換えることによって、結果的に相続税対策を実行することはありますが、家族信託を組むだけでは税務的メリット・節税効果はありません。

 

家族信託では、財産は委託者(親)のものであり、財産を相続した際には相続税がかかります。

 

または、受託者(子)に財産を贈与した際には贈与税がかかってきます。

 

家族信託は財産管理を目的とした制度であり、節税対策ではないということを念頭に入れておきましょう。

 

⑤実務に精通した専門家が少ない

 

家族信託は、新しい制度ということもあり、的確なアドバイスのできる専門家が不足しているという現状があります。

 

したがって、専門家(弁護士・司法書士・公証人)であれば、誰にでも相談・担当できるという制度・仕組みではありません。

詳しくない専門家に相談・依頼すると被害・損害が生じるリスクがあります。

そこで、知識・実務経験があり家族信託を専門・得意としている専門家に相談・依頼すべきです。

 

書籍・インターネットの情報だけで、専門家に相談せずに、家族信託を実行するのは、きわめてリスクが高いので、避けましょう。

 

⑥専門家への報酬が必要

 

家族信託は、最新・高度な制度であり、対応できる専門家は限られています。

 

したがって、専門家への報酬(相談料・コンサルティング報酬)は、通常の遺言作成・成年後見などの相談・手続きに比べると、高めの傾向にあります。

遺言作成や成年後見制度に比べて、高い効果を得ることも可能ですので、費用対効果から考えますと、「お得」なケースもあるでしょう。

 

⑦税務申告が必要

 

資産の一部又は全部を信託財産に入れた場合、そこから年間3万円以上の収入がある場合は、信託計算書・信託計算書合計表を税務署に提出しなければなりません。

また、毎年の確定申告の際、信託財産から不動産所得がある場合は、不動産所得用の明細書の他に信託財産に関する明細書を別途作成・添付しなければなりません。

⑧長期間、当事者を拘束

家族信託の内容によっては、何世代にもまたがり、長期間、資産の処分に制限をかけることもあります。

 

その場合、不測の事態を誘発してしまうリスクがあります。

 

 

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