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取締役の責任は?

http://uxlayman.hatenablog.com/entry/2017/01/26/insentens

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「取締役の対外的責任」

 

 

取締役となると、大きな権限を与えられるだけでなく責任も重くなります。

 

取締役の責任、大きく分けますと次の2種類になります。

 

①会社に対して負う責任

 

②第三者に対して負う責任

 

「会社に対して負う責任」

 

会社に対して負う責任は、取締役が任務を怠ったときに、会社に生じた損害を賠償する責任を負う「任務懈怠(けたい)責任」というものです。

 

会社と取締役との関係は「労働契約」ではなく「委任契約」となります。

 

民法は、「委任契約」において、取締役は「善良なる管理者の注意」(善管注意義務)をもって職務にあたらなければいけないと定めています。

 

会社法では、「忠実義務」を、取締役に対して課しています。

 

取締役は、法令・定款・株主総会の決議を遵守し、会社のために忠実に職務を行わなければなりません。

 

そういった、義務に反した場合は、取締役は、会社に対して責任を負うことになります。

 

また、「競業避止義務」「利益相反行為」というものがあります。

 

取諦役が会社と取引する場合は株主総会において、取引につき重要な事実を開示し、その承認を受ける必要があります。

 

これを怠った場合は取引による利益は、会社へ与えた損害の額と推定されます。

 

この場合、取締役が会社へ与えた損害がこれより低いことを立証しない限り、取締役は推定される損害額を会社に賠償しなければなりません。

 

また、取引をした取締役だけでなく、取締役会で決議に賛成した取締役までもが任務懈怠責任を問われます。

 

取締役は会社の重要事項を決定できる立場にあるので、厳格に責任を問われることになるのです。

 

「第三者に対する責任」

 

第三者に対する責任としては、取締役に悪意や重過失があった場合には、第三者に生じた損害を賠償する責任に問われます。

 

例えば、取締役が放漫経営をしていた結果、会社が倒産し、売掛金や貸付金の回収が困難となってしまった場合などです。

 

取締役は会社運営の重要な役割を担うため、責任も非常に大きくなっています。

 

取締役として名前だけ貸したという場合でも、責任は逃れられませんので、注意しましょう。

 

株主が取締役の法的責任を追及する「株主代表訴訟」の件数は増加しています。

 

一方で、あまり厳格に責任追及し、巨額な賠償責任を負わせてしまうと、リスクをおそれ、消極的な判断に終始したり、取締役になる者がいなくなるという事態にもなりかねません。

 

そこで、取締役の責任を軽減する制度を設けています。

 

株主全員の同意があれば、取締役の会社に対する責任を免除できます。

 

また、取締役の任務懈怠責任のうち、「軽過失」のものについては、その責任を一部免除することが可能になりました。

 

株主総会によって、次にように責任の一部免除(取締役が負うべき「最低責任限度額」)をすることを決定することができます。

 

・代表取締役は年間の報酬の6倍

 

・それ以外の取締役は4倍

 

・社外取締役は2倍

 

また、社外取締役については、特に責任からの救済性が高いため、「責任限定契約」という制度が設けられました。

 

ただし、責任限定契約を結んだとして、過失が重い場合には、賠償の責任額が限定されることはありません。

 

 

「取締役の辞任後の責任と競業避止義務」

 

取締役は、取締役を辞めた後でも、会社に対して何か責任を負ったり、義務を課されることはあるのでしょうか?

 

会社としては、取締役を退任した後でも、新規に競業会社を立ち上げたり、顧客やノウハウを利用・流出されしまうことは困ります。

 

そこで、会社は、取締役が退任する際に、競業避止についての合意書・誓約書を交わすことがあります。

 

ただし、原則として、「職業選択の自由」が認められていますので、合意書・誓約書の内容が常に・完全に有効とされるわけではありません。

 

次のように、時間や場所等の一定の制限を設けたり、代替措置をとることが考えられます。

 

・同一県内では競業行為をしないこと

 

・〇年間は競業行為をしないこと

 

・退職金を上乗せする

 

そして、有効な合意内容であれば、合意に反して競業行為をした場合、損害賠償責任を追及することも可能となります。

 

また、有効な合意がない場合であっても、取締役在任中に顧客や従業員の引き抜きやノウハウの持ち出しを行い、退任後に競業行為に出た場合には、これは取締役在任中の忠実義務等に違反します。

 

したがって、損害賠償責任を追及することができるでしょう。

 

「取締役としての責任の時効は10年」

 

取締役としての責任の消滅時効は10年となっています。

 

「取締役としての経営責任は?」

 

忠実に、会社のためにがんばったけれど、残念ながら、会社が倒産してしまった場合、取締役はどのような法的責任を負うのでしょうか。

 

原則としては、「取締役」だからというだけで、会社の倒産にたいして、法的責任を負わされるわけことはありません。

 

ただし、取締役が会社の債務の連帯保証人になっていた場合や、取締役が保有している自分名義の不動産を担保として提供していた場合は、連帯保証人として・担保提供者として経済的に責任をとることになります。

 

「経営者保証とは?」

 

「経営者保証」とは、会社が金融機関から融資を受ける際に、代表取締役や取締役が債務を連帯保証することです。

 

中小企業の場合は、代表取締役は、ほとんど必須とされています。

 

会社が倒産すると、連帯保証している(代表)取締役も責任追及が及びます。

 

個人の財産を提供せざるを得ないでしょう。

 

「使用人兼務役員でデメリット回避?」

 

「使用人兼務役員」(従業員兼務役員)というものがあります。

 

これは、取締役であると同時に会社の従業員でもあるという立場になります。

 

・取締役総務部長

 

・取締役工場長

実は、会社にとっても使用人兼務役員にとっても、メリットのある制度です。

 

まず、会社としては、給与額を変動することが可能となります。

 

原則として、役員報酬は、毎月定額であり増減することはできません。

 

しかし、従業員としてもらう給与は、変動させることができます。

 

また、会社は使用人兼務役員に対して、従業員として「残業代」や「賞与」を支給することもできます。

 

「残業代」「賞与」を支給し、節税のため利益幅を圧縮できますし、使用人兼務役員は、貰える金額が増えます、

 

使用人兼務役員の場合、従業員として労働保険に加入することができます。

 

取締役の場合、失業給付も労災補償も給付されないですが、従業員としてならば、加入し給付を受けられるようになります。

 

ただし、次のような場合は、使用人兼務役員になれません。

 

・会社の株を一定程度持っている場合

 

・肩書として「従業員」とすることが不自然(社長・専務等)

 

・従業員として実態がない

 

 

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